千の風になって

多くの人の心を捉えたこの詩は、
私にとっても特別な詩である。

今、ここに毛糸で編んだ靴下がある。くるぶしより少し上までくる極太で編んだ毛糸のソックスには、毛糸の花の刺繍がしてあるが、このソックスに特別な思いがある。

中高と親友だった彼女の訃報が届いてから、もう4年が過ぎようとしている。
その一枚のはがきに私はわが目を疑った。

それはその年の11月後半だった。彼女の母親からであり、来年の年賀状は喪中なので遠慮させていただく、と書いてある。享年44歳!エッ。彼女の名前が書いてある。

そういえば東京にいる彼女とは2年は会ってない、がその前の年末ごろに電話で話をしていた。すぐさま、彼女の母親に電話をかけた。

母親もまだ、その死を実感していないのか、彼女の死に至るまでの経過を訥々と話し始めた。

びっくりして、びっくりして。どのように声をかけたか思い出せない。

  しばらくぼっーとした日が続いた。



ある日彼女のおばさんが、私の当時の勤務先近くにお住まいなのだが、私の勤務先を突然訪ねてこられた。

 ある一冊の本を携えていた。


それが、新井 満の<千の風になって>だった。

なぜその本を携えてこられたか。

 その答えは、この詩の中にある。

 この詩には、彼女の家族の名前がすべて載っていた。
       千、風、空、ゆき・・・・

彼女が詩っているかのように、
その詩は続いた・・・・・

その本に驚いたが、
さらに私を驚かせたのは、
その年に秋川雅史がこれを詩として歌い、
そしてロングヒットになった。

今はいている毛糸の靴下は彼女がなくなる2年前に、
何を思ってか、
彼女が私に送ってくれた。

なんで私が冷え性だとも知らない彼女が
こんなあったかい物を送ってくれたのか。

彼女の足も冷えていたのか。
何かつらいことがあったのか。

今となっては聞く術もない。

でも亡くなってからも、これだけ多くの語りかけるものを残してくれた彼女には
私は

    頭が下がる。
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by rapport_kykohp | 2008-02-08 23:07 | わたくしごと