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女を見たら妊娠と思え



女性には大変失礼なのですが、

ホヤホヤの産婦人科医はオーベン(こんな古い言葉は今は使わないでしょううねえー先輩医師の意)からこんな言葉を習います。

つまり、

 女にはだまされるな

ということなのですが、

20年を超えたベテラン医師でも、女性にはだまされます。

その理由はまず、
①生理というものがわかってない女性がいる。

   最後の生理はいつですか?の質問にまったく答えれない女性がいること、
   あるいは
   出血をすべて生理だと思っている人がいること

②セックスが妊娠をするための行為、だということがわかってない人がいる。
 
   妊娠の可能性はありませんか?と聞いても”絶対ありません!!!!!”と言い切る場合がある。
    絶対ない!と言い切るには、セックスを全くしたことがないか、100%安全なセックスをしているなど特別な場合だけなのですが。

③ある日突然、おなかが痛あーーい、と内科や外科を受診する、場合もある。

   これは当たり前のことですが、妊娠している可能性のある、且つ妊娠を意識していない女性は変わったことがあればどこの科でも受診します。だからどこの科の医師も女性顔を見たら、に・ん・し・ん の文字を思い浮かべねばなりません。

④女性の生殖可能年齢は、幅が広い!

   極端に言えば50歳の女性でも妊娠することは在ります。

妊娠というと、一般の人は正常な妊娠を思いますが、
医師の場合、<女を見たら妊娠を思え>の言葉の意味するもっとも深いところは、妊娠という子宮外妊娠や胞状奇胎、を見逃すな、ということだと思います。
先ほどの③のように、おなかが痛い、女性はただの便秘や胃炎ではなく、子宮外妊娠、という危険な病気もことがあるわけですし、④のように50歳で不正出血があったら、ついつい年齢的には、更年期かな?とか、もしかしてがん?なんて最初に思うけど、
実は胞状奇胎だった、なんて事がありうるわけです。

でも日ごろ患者さんを診ているといろんなことがあって、

どんなに「私は妊娠していません。」って言い張っても
やっぱり調べたら妊娠で、
「妊娠してましたよ。」というと
「ああそうですか。」としらっと言われたりすると、

 女って怖い

と女ながらに思うのです。
   
by rapport_kykohp | 2008-03-18 21:48 | 医学のこと