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あきらめない がん治療

末期がんと呼ばれている状態はどのような状態でしょうか? 

治療という観点から考えると、がん治療の3大標準治療である手術療法、放射線治療、化学療法のいずれもが無効なものと考えて差し支えないと思います。 
末期がんとはがんの標準治療に“抵抗性”を獲得したがんとも言えます。

 では、がん細胞はどのようにして治療の抵抗性を獲得するようになるのでしょうか? 

 がん細胞は、酸素が十分に供給されていない場所でも増殖できるように、嫌気性代謝を行っています。 生物の誕生は約40億年前と言われていますが、その頃の生物は酸素を必要としていない環境で生きるためのエネルギーを産生していました。 生物が進化する過程で、正常な細胞は酸素をエネルギーとすることを覚えたと言われています。 がん細胞は、未だに酸素を必要としない嫌気性代謝(解糖系)でエネルギーを得る原始的な細胞です。 がん細胞は原始的で未熟な細胞ですので、無秩序に増殖し続けます。 低酸素誘導因子(Hypoxia Inducible Factor、HIF)を発現させたがん細胞は、低酸素状態でも増殖ができるように、自身の周辺環境を整えていきながら悪性化していきます。 がんが成長し、内部のがん細胞が酸素欠乏の状態となればなるほど、がんは悪性化するとともに多量の抗酸化物質(グルタチオンペルオキシダーゼ)を含む状態となります。 放射線治療・抗がん剤治療は、いずれもがん組織で活性酸素(フリーラジカル)を発生させがんを壊す療法です。 がんが抗酸化物質を持つようになると治療のために発生させた活性酸素をがん細胞内で中和してしまうために治療効果が著しく低下します。 その結果、がんは治療に対して抵抗性を持つようになるのです。 

 低酸素状態で発育を続けるがん細胞は、嫌気性代謝(解糖系)でエネルギーを産生しています。 嫌気性代謝(解糖系)ではエネルギーの素はグルコースだけですから、多くのグルコースが必要となり細胞膜にはグルコースを受け入れるレセプターが増加します。 ビタミンCはグルコースと化学構造が似ていることから、容易にがん細胞に取り込まれます。 高濃度ビタミンC療法 は、がん細胞内で酸化物質である過酸化水素を発生させることによりがんを死滅させる療法です。 
あきらめない がん治療_d0140997_101575.jpg通常、適切な血中ビタミンC濃度が得られれば高濃度ビタミンC療法は効果を発揮しますが、多量の抗酸化物質を産生するようになったがんに は高濃度ビタミンC療法 は効きにくくなります。

 治療に抵抗性を示すようになった場合には、腫瘍内の抗酸化物質に打ち勝ちがん細胞を死滅させるために、効果的なビタミンC投与の仕方を組み立てる必要があります。 このような場合、単にビタミンCの投与だけではがん細胞内で増えた抗酸化物質に打勝つことは困難ですので、ビタミンCの効果が最大限に得られるように他の点滴療法を組み合わせます。 その一つの方法が、血液オゾン療法高濃度ビタミンC療法 に組み合わせることです。 血液オゾン療法は、赤血球の酸素運搬能を驚異的に増加させます。 冷え性の患者さんでは、この療法直後に冷えていた手足が温かくなっていると喜ばれるくらいです。 酸素を多く含んだ赤血球を身体の隅々まで送り込むことにより、がん細胞内の酸素濃度も上昇します。 がん細胞内の低酸素環境を改善することにより、嫌気性代謝(解糖系)の速度を低下させれば、がんの発育を防止することができます。 また、HIFの発現を抑制させ、がんのさらなる悪性化を防ぐことができる可能性があるのです。 ビタミンCはがん細胞内で酸素から過酸化水素を作ります。 がん細胞内の酸素量が高い方が、治療のためにビタミンCが作りだす過酸化水素の量は増えることになります。 血液オゾン療法でがん細胞内で酸素濃度を高めることにより抗酸化物質の産生を低下させ、高濃度ビタミンC療法でがん細胞内でより多くの過酸化酸素を発生させるとともに、HIFの発現を抑制させることができます。 この二つの療法を組み合わせることで、より効率のよいビタミンCの効果が得られると考えられます。 同じ理由で、血液オゾン療法は化学療法や放射線療法の効果を高めることができると考えています。

 がんの治療はあきらめることはありません。 

 あきらめなければ、可能になる方法があると思っています。 科学的に裏付けのある あきらめないがん治療 をご一緒に考えたいと思っています。

 末期がんについての定義には、医療上のいろいろな立場があり、これを簡単に統一するのは困難です。
治療上の立場からは。末期がんとは
1. 手術、放射線治療、化学療法のいずれも不可能なもの
2.手術の不可能なもの
3.手術、放射線治療のいずれも不可能なもの、とする考え方があります。

一方、病状、予後の点からは
1.予後の生存期間が一ヶ月以内
2.予後三ヶ月以内
3.予後六ヶ月以内、とする立場や、
4.全身状態の極度に悪化したもの
と考えるなどいろいろです。

ターミナル・ケア(終末期医療)を行っている病院である聖隷ホスピス(浜松市)の実績をみると、患者の在院日数は平均で91日です。そこで、生存期間が予後2~3ヶ月とされる人を、末期がん患者と定義してもよいと考えられます。

あくまでも西洋医学を柱として治療を進めていくことが一番望ましいことです。そうはいっても西洋医学ではどうしても乗り越えられない限界にぶち当たる事もあるかもしれません。 

そんな時は治療をあきらめるのではなく、可能性を見出していく 力 が大切です。
by rapport_kykohp | 2016-06-13 07:19