増加している うつ病 にも栄養療法って本当?

うつ病は、耳慣れた病気です。 実際、厚生労働省が実施している患者調査によれば、日本の気分障害(うつ病の正式な病名)患者数は1996年には43.3万人でしたが、2008年には104.1万人と、著しく増加しています。 身近な疾患になってしまったと言えます。 うつ病の原因は、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質の働きが悪くなっていると推測されています。 現在、うつ病の治療に用いられている薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)という薬です。 この薬は、シナプスに取り込まれるセロトニンを減少させ、実際に必要なセロトニンを増加させる役割を持っています。 SSRIの登場によってうつ病患者に光明が与えられましたが、奏功する患者は約40%だと言われています。 残りの患者さんでは、SSRIが処方されても症状が改善しないか、悪化している場合があるのです。 米国で栄養療法(薬を使わない栄養素の補給による療法)を積極的に行っているグループは、32万件の症例と23万件の血液検査結果を行った結果をもとにうつ病を5つの型にわけ、不足しているまたは過剰な栄養素を調節する治療により大きな効果を挙げています。 栄養療法とは、必要な生化学的血液検査を行い、不足しているまたは過剰になった物質を調べ、その結果をもとに体内の神経伝達物質を調整するという方法で、お薬を使わない治療方法です。 例にとると、出産後に気分が沈み込んでしまう“産後うつ”という病態があります。 通常では、出産に備えて胎児が必要とする物質は母体から供給され、出産後に母体内で上昇した物質は“代謝”という形で正常なレベルに戻ります。 しかし、その時の“代謝”に必要な物質が足りないと、増加した物質は正常レベルまで復することが出来ないために、うつ状態となってしまうことが判明しています。 栄養療法では、薬を用いる訳ではありませんから、出産直後から治療を進めることができます。 うつ病の症状を記載しておきます。

1) 自分で感じる症状

憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安である、

イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、

細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、

物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れない

2) 周囲から見てわかる症状

表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える

3) 体に出る症状

食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、肩こり、

動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く

これらの症状が数週間続く場合は、うつ病が疑われます。 栄養療法による治療をご希望の方は、ご相談下さい。


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# by rapport_kykohp | 2016-12-09 13:37 | 医学のこと

ラポールでの 血液オゾン療法 ご報告

2016年に当院で行った血液オゾン療法の結果についてお知らせします。

血液オゾン療法とは、専用のボトルに血液を100㏄ほど採血した後に、治療量のオゾンを混ぜた後に体内に戻す療法です。 

血液オゾン療法により、

  1. 体内の酸素量の増大により各組織に送られる酸素が増加する

  2. 適度な一酸化窒素が生じることにより、血管が拡張されると同時に抗血小板効果が生じる

  3. 体内のエネルギーの元であるATPが産生される 

  4. 適切なオゾンを体内に導入することにより、強力な抗酸化効果を引き出す

    等の変化が生じます。

また、月に1度または2度の血液オゾン療法を継続することにより、

  1. 酸化ショック蛋白が誘導されることにより、損傷したDNAを修復する

  2. 骨髄幹細胞の放出量が増えることから免疫力が強化される  等の効果が得られます。

 当院では、20162月から10月までに、約250名の方に対して血液オゾン療法を行いました。 治療に際しては副作用が問題となりますが、1例も処置を必要とする副作用は認められませんでした。 血液オゾン療法を行った方で、この療法が著効し症状が劇的に改善した方についてご紹介します。

  1. 数年来からの両下肢の痛み

    長年、24時間続く両下肢の痛みに悩んでおられました。 これまでに、様々な治療が試みられましたが、痛みが消失することはありませんでした。 血液オゾン療法を行ったところ、初回から両下肢の痛みが軽減し、良眠が得られるようになり、生活の質が劇的に改善されました。

  2. 数年来続くめまい

    数年来のめまいがあるために、日常生活が制限されていました。 血液オゾン療法を行い、帰宅し数時間経過した際に、めまいが完全に消失していました。 長年続いためまいが消失したために、数日間は歩行の際に違和感があったとのことです。

  3. 副腎疲労

    副腎疲労で来院された方です。 グルテンフリーとカゼインフリーの食事療法とともに、血液オゾン療法を行いました。 その結果、疲労とともに脳のモヤモヤとした霧が晴れ、物事が円滑に進められるようになっています。

  4. 両下肢の凍瘡(しもやけ)

    冬の時期になると、両足趾が赤黒く色が変わるとともに、歩行の際にも痛みを伴うほどのしもやけが、1度の血液オゾン療法で痛みが消失しています。


 ご案内したように、血液オゾン療法は頭から足まで組織への酸素の供給を増やすとともに、身体のエネルギーを増大させるとともに優れた抗酸化力を持つ療法です。 特に、慢性疲労や冷え性の方に著しい効果が得られる療法です♡


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# by rapport_kykohp | 2016-11-18 18:51 | 女性クリニック ラポールのこと

今回は ビタミン D! (Cではありません)

注目されるビタミンD (骨のことではなくて)

 <まずはビタミン D の骨に対する働きを復習しましょう>
.ビタミンD
は、骨に対する作用がよく知られています。 
 ビタミンDは、コレステロールが生合成される際の代謝産物に紫外線が照射されることで起る光化学反応と、その後の体温によって起る熱異性化反応によって体内で生成されます。 体外から摂取したものと、体内で生成されたビタミンは、肝臓で代謝された後に、腎臓に運ばれここで活性化ビタミンDに変化します。 

活性化ビタミンDの作用として、

1.小腸でのカルシウムの吸収を促進する。

2.腎臓でのカルシウムの再吸収を促進する。

3.骨から血中へカルシウムの放出を高める。

 
一見、ビタミンD
は骨からのカルシウムの放出を促進することから、骨粗鬆症を悪化させる作用があるように感じますが、実際には骨粗鬆症の治療に広く用いられています。 

骨は骨芽細胞による骨組織の形成と破骨細胞による骨組織破壊(骨吸収)により一定の骨量が維持されています。 活性型ビタミンDは破骨細胞の活性化による骨塩動員作用(骨吸収)の促進により骨の破壊に関与することで 骨リモデリング(骨の破壊と再構築) を正常に維持するよう働きます。 ビタミンDは前述したように血中のカルシウム濃度の上昇に働きます。 血中のカルシウム濃度が上がるとカルシトニンという副甲状腺ホルモンが分泌されます。 カルシトニンは小腸でのカルシウムの吸収を抑制する働きや、カルシウムの尿中への放出を促進する働きとともに、骨へのカルシウムの沈着を促進する働きが有ります。 ビタミンD自身が骨からのカルシウムの溶出を促進する働きがあっても、ビタミンDの血中カルシウム濃度を上昇させる働きにより、カルシトニンを介して骨へのカルシウムを沈着させる働きもあるのです。カルシウムの溶出よりも沈着させる作用のほうが強いので結果として、ビタミンDの投与が骨へのカルシウムの沈着する方に向かいます。 


<チューモック!実は 現在骨粗鬆症以外の病態に対するビタミンDの効果が注目されています。>

それらは、

・がん細胞の増殖抑制・正常細胞への分化誘導作用

・免疫調節作用 

・運動能力の改善作用

・うつに対する改善作用
・副甲状腺ホルモン産生・分泌抑制作用
・発毛調節作用
・腸管機能の改善  
 です。

ビタミンDは免疫機能の中で、ナチュラルキラー細胞の活動とマクロファージの食作用を活性化することがわかっています。 ビタミンDを毎日、1,200 IU摂取した人々は、摂取しなかった人々に比べて、42%インフルエンザの罹患率が低かったとの報告もあります。 ビタミンDは四肢の骨格筋の機能調節に必要と言われていますので、ビタミンDの不足で筋肉低下からの歩行障害を引き起こす可能性があります。 また、ビタミンDにはてがん細胞の増殖を抑制し、ガン化しかけた細胞を正常細胞へと分化誘導する働きが認められています。 ビタミンDの血中濃度を保つことにより、大腸がんの発生が半分に減少したと報告されています。 様々な健康効果を引き出すために必要なビタミンD1日の摂取量は、1,0005,000IUと考えられます。 悪性腫瘍の治療にビタミンDを用いると高カルシウム血症を引き起こすリスクが高くなることが考えられるために、定期的に血中濃度を測定しながら適切な量を摂取することをお勧めします。


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# by rapport_kykohp | 2016-10-18 16:06

これからは がん 認知症 動脈硬化 は 先制医療の時代です

今回は、変わりつつある健康診断についてお話ししたいと思います。 

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法隆寺の建立された時代にはこんな世の中が来るなんて誰が予想したでしょうか

病気を予防することは個人にとっても国家にとっても極めて重要なことです。 
これまでの健康診断は、長い時間をかけて統計を取りそれを集計・解析し、疾病の発生・経過・分布・消長とそれに影響をおよぼす原因を、血液検査をはじめとする検査結果や生活環境をもとに研究し、疾病の予防を行ってきました。 これを 公衆衛生学 といいます。

病気になりやすい環境や検査結果をもとにした疫学研究により、健康診断や生活習慣の改善指導を行うことにより疾患の予防を行ってきたのです。 

すなわち、「病気になってしまってからそれを治すことより、病気になりにくい心身を作る。病気を予防し、健康を維持する」という考え方に基づいていた予防医学といえます。

先制医療(Preemptive medicine)は  予防医学 とは また異なる概念となります。
 
発症前に高い精度で発症予測(Predictive diagnosis)あるいは正確な発症前診断(Precise medicine)を行い、病気の症状や重大な組織の障害が起こる前の適切な時期に治療的介入を実施して発症を防止するか遅らせるという、新しい予防医学なのです。

少しわかりにくいですよね。 

先制医療が従来の予防医療と異なるところは

疾患を定めて正確にピンポイントで検査を行い、
疾患の発症を正確に予測し、発症前に治療することにより健康を維持する 

ところです。

だから 先制医療には 正確な発症前診断 が必要です。 

今後予防すべき疾患の代表は、がん 認知症 動脈硬化症です。 これらに対する発症前診断検査を紹介します。

いずれも、血液検査 でわかります。

がんに対してはがん遺伝子検査があります。 
がん細胞から血中に漏れ出した遺伝子を増幅して診断します。 この数値が高い場合、さらにがん抑制遺伝子などの検査を追加することが可能です。
 
認知症に対しては、アルツハイマー病の発症前検査が可能です。 認知症発症前の経度認知障害(MCI)の状態をA-Dの4段階で評価します。

動脈硬化症に対しては、将来の脳梗塞と心筋梗塞の発症リスクを検査します。 10年以内の発症リスクが判定されます。

これらの検査で、病気の発症の可能性が高いと診断された場合、点滴療法をはじめとした様々な治療でリスクを減じることが可能です。

将来の疾患から身を守るために、定期的にきちんとした検査を行いその結果をもとに適切な治療プログラムで対策することが、これから益々大事な世の中になってくると思います。
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# by rapport_kykohp | 2016-09-01 20:05 | 医学のこと

脂肪細胞 の 功と罪

脂肪は歳とともに身体に少しずつ “つく=蓄積する” ことは感覚的にわかっています。 

従来、脂肪はエネルギーを蓄積する場所として捉えられてきました。 現在、その捉え方は変わりつつあります。 加齢を中心とした変化に伴って、脂肪細胞は変化し、生活習慣病を引き起こすことがわかってきました。

 今回は、この脂肪について正しく理解した上で、生活習慣病を防ぐ方法を考えてみたいと思います。 
まずは、脂肪細胞の種類をみてみることにします。 体内の脂肪は3種類あると考えられています。 白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、そして骨髄中脂肪細胞です。 

1.白色脂肪細胞
身体の大半を占める脂肪細胞で、エネルギーを蓄積する脂肪細胞です。 
2.褐色脂肪細胞
体内でごく少量認められ、白色脂肪細胞と対称的にエネルギーを消費して熱産生を行う脂肪細胞です。 加齢とともにその量は減少しますが、最近になって成人でも存在すること判明しました。
3.骨髄脂肪細胞
骨髄中にある脂肪細胞で、加齢に伴って骨髄は脂肪細胞で満たされることがわかっていいます。 全身への影響は少ないと考えられていますが、骨髄中の脂肪細胞の増加は、骨粗鬆症を引き起こす原因として認識されています。 

体内で大半を占める白色脂肪細胞について少し詳しく見ていきましょう。 
加齢に伴って、白色脂肪細胞は代謝低下や炎症性免疫反応の増加、酸化ストレスの増加が観察され、脂肪組織が機能異常をきたすことが知られています。 加齢以外にも、過食や高脂肪食を摂取することにより、脂肪組織の老化が促進されることがわかっています。 脂肪内で慢性炎症が引き起こされると、血糖値を制御するインスリンの効きが悪くなり、糖尿病を発症します。 肥満状態が続くと、糖尿病は悪化し動脈硬化症を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞といった生命にかかわる重篤な疾患の発症につながっていくのです。 

ではなぜ、発病のきっかけとなる慢性炎症は、脂肪細胞に起きてくるのでしょうか? 最近になって、腸内環境が大きく関わっていることがわかっています。 腸内細菌の細胞壁内に存在するエンドトキシン(内毒素)が、腸管の中と外の関門である腸管バリアを潜り抜けて体内に入り込むことによって、脂肪細胞に慢性炎症を起こしているのです。 腸管バリアの機能を低下させている原因はさまざまですが、食品添加物である食用乳化剤が原因となっていることは無視できない事実です。 

 ★でもね、脂肪細胞も需要な臓器の一つです。すべて排除するということではありません。先にも書いたように
エネルギーの蓄積 と
重要なサイトカインの分泌 が
主な役目とされています。

不必要な脂肪細胞の増加や、脂肪細胞の肥大化 が問題なのです。それが最も重要です。そうさせないためには
やはり カロリーリストラクション と 運動不足解消 が大切だと思いますよ。

 脂肪細胞の増加=肥満を防ぐことは、糖尿病、動脈硬化を防ぐことに直接つながる重要なことです。 フィトケミカル(果物、野菜、豆、お茶、ハーブなどの成分から発見された物質)が多く入った天然食品を用
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# by rapport_kykohp | 2016-08-11 15:03